《複写機をはじめとする事務機事業を立ち上げ* 今日のキヤノンを築き上げた立役者》

元キヤノン株式会社代表取締役副会長 田中 宏

小藤君はセイコーエプソンでインクジェットをものにした男で、是非キヤノンに欲しい人材と思いキヤノンに来てもらった。当社では、究極のBJプリンタとも言えるフルラインカラーBJの開発指揮を取り、キヤノン2000年展に出品した。つまり、ピエゾインクジェットとサーマルインクジェットの両方を手がけたほとんど唯一の男と言ってよい。
ピエゾについては、エプソンで従来タイプの開発、商品化をし、その後キヤノンと戦う中でマッハジェットの開発を指揮した。キヤノンに来てから、サーマルのエッジタイプ、サイドタイプと全て手がけている。またキヤノンをやめてインクジェット技術コンサルタントになってからも、ザール、スペクトラ技術に関係し、世の中で実用化されているほとんどのインクジェット技術を具体的に手がけたという。この実績を見ても、小藤君自身、インクジェットにおける日本の(と言うことは世界の)第一人者であると堂々と主張してかまわない。
彼の強みは、開発、生産、販売、サービスと全てにわたって積極的に参加し問題解決に当ってきた経験を通し、原理的な解析から泥臭いサービスまで、各々のステージに関連したそれぞれの技術のメリット、デメリットをとことん知っていることにある。言い換えれば、単なる技術開発でなく、具体的な商品化をいかにするか、常に考えていることがすばらしい。
当然、商品化し相手に勝つためには特許がきわめて重要な武器になる。MACHジェット、薄膜ピエゾをはじめとしてエプソン、キヤノンを通じ多くの優れた特許を出してきた。また私がそうであったように、後輩の育成に努めてきた。話によると、会社を移るにつれ、以前出した自分の特許対応に苦労しているという。

常々、これからの日本を変えていくために、LCA大学院大学森谷先生の「山師、変人、でしゃばり」を喧伝している。小藤君が東京の小金井から川崎のキヤノン玉川まで1時間近くかけて毎日自転車で通勤しているのを聞いて、『十分山師、変人ではある。しかし(折角良い所を持っているのだから、)もっとでしゃばった方がよいぞ』とよく言ったものだ。

現在、キヤノンとエプソンでの開発の経験を活かし、インクジェットのコンサルタントとして活躍しており、インクジェットでお悩みのかたは是非一度相談することをお勧めする。


(写真)田中氏

*「プロジェクトX 挑戦者たち 壁を崩せ 不屈の闘志 突破せよ 最強特許網 新コピー機誕生」NHK「プロジェクトX」制作班(日本放送出版協会)に描かれている。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4140807873/

→ 世界初の水晶腕時計を商品化した 元セイコーエプソン株式会社専務取締役 相澤進
→ キヤノンBJを立ち上げた ザール・ピーエルシー日本事務所代表 太田徳也
→ エプソンを立ち上げた 株式会社イーフォーシーリンク取締役会長 土橋光廣